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2021年02月08日(月)

『マヌカハニー』 その驚くべき抗菌性!

2020年2月に始まったコロナウイルス感染拡大に伴い緊急事態宣言が出され、いつ収束するか見通しすら見いだされません。このような時だからこそ、自分の身体は自分で守らなければということで、免疫力アップと抗菌性の高さを求めてマヌカハニーを召し上がる方が増えています。ではなぜ、これほどマヌカハニーが多くの方々から支持されているのでしょうか?
その理由を改めてみてみましょう。

一人の教授とマヌカハニーの出会い

1990年、蜂蜜研究の第1人者であるニュージーランドのピーター・モラン教授は、ニュージーランドの原住民、マオリ族の人たちが古くから大切にしてきた蜂蜜と出会います。
 
それはニュージーランドに自生するフトモモ科の常緑低木でマヌカと言われ、ほかの蜂蜜とは抗菌活性が全く違うことに気づきます。蜂蜜にはブドウ糖由来の抗菌性の高い過酸化水素(H2O2)が含まれていますが、マヌカハニーの場合はH2O2以外の成分が含まれていると分かったのです。そこで研究を行うものの抗菌活性の原因物質を特定することはできませんでした※1。また採れる蜂蜜により抗菌活性が違うためそれぞれを区別するために数値を付けることになりました。それがUMFユニークなマヌカのファクター(因子)を持つマヌカハニーUMF〇〇+となったのです。ちなみにマヌカの正式名はLeptospermum scoparium(レプトスぺリウム スコパリウム)と言います。
 

マヌカハニーに含まれる特別な成分を特定した教授

世界中で注目の的となったマヌカハニーですが、2006年にドイツのトーマス・ヘンレ教授等がモラン教授たちとは違う実験方法でついに、マヌカハニーの特別な成分がメチルグリオキサール(Methylglyoxal,MGO)であると突き止め発表します※2。
 
そこで今度は2009年にはモラン教授等はメチルグリオキサールの前駆体である、ジヒドロキシアセトン(Dihydroxyacetone, DHA魚に含まれるドコ・サ・ヘキサエン酸とは別物)という糖質に37度(日本のミツバチの巣内温度は34~35度)の熱が加わるとメチルグリオキサールに変化することを突き止めました。
 

 
つまり、マヌカハニーができたばかりの時にはまだメチルグリオキサールは存在しておらず、ジヒドロキシアセトンだけが確認されたのです。そこでさらに高温にすればメチルグリオキサールも増えるはずと思い実験を行った結果、50度以上になるとメチルグリオキサールもジヒドロキシアセトンも消失してしまうことが分かりました※3。
 
さてここで気を付けなければいけないのは、蜂蜜に熱が加わるとヒドロキシメチルフルフラール(HMF)というカラメル化した化合物が発生します。このHMFは多量に摂取すると人体に有害な影響を与えかねません※4。蜂蜜に過度な加熱が施されているかどうかを見極めるために、このHMFの数値を世界規格では
100mg中に4.0mg以下と決められています。

神戸養蜂場のマヌカハニーのHMFは2.24mg/100mg

高品質の証ですね。

現在ニュージーランドが認めているマヌカハニーの抗菌活性を表す数値

マヌカハニーの抗菌活性を表す数値にはUMFとMGOがあります。この違いをご存知の方もいらっしゃると思いますがまとめてみますね。
 
★UMF(ユニークマヌカファクターの略)マヌカハニーの抗菌活性の強さ
UMF10+ フェノール消毒薬の10%希釈と同程度の抗菌力
UMF15+ フェノール消毒薬の15%希釈と同程度の抗菌力
UMF20+ フェノール消毒薬の20%希釈と同程度の抗菌力
*フェノール消毒薬は外皮用殺菌消毒剤として病院などでは2~5%の希釈溶液が使われています(参考:おくすり110番:薬事典版※5、日本薬局方※6)
 
★MGO(メチルグリオキサールの略)メチルグリオキサールの含有量
MGO100+ 1kgのマヌカハニーにメチルグリオキサールを100mg含む
MGO250+ 1kgのマヌカハニーにメチルグリオキサールを250mg含む
MGO400+ 1kgのマヌカハニーにメチルグリオキサールを400mg含む
 
UMF/MGO比較表
UMF MGO 強さ
10+ 263+ 中程度
15+ 514+ とても高い
20+ 829+ より高い

まとめ

マヌカハニーは一般的な蜂蜜と比較すると非常に高い抗菌活性を持つため、マヌカハニーの創傷治癒に及ぼす影響※5,6,7 火傷の管理における効果※8,9、コンタクトレンズ使用によるドライアイ並びに角膜浮腫の治療※10,11,12、アトピー性皮膚炎及び皮膚の障害に対する免疫調節※13,14、大腸菌に対する抗バイオフィルム活性※15、抗インフルエンザウイルスへの高活性等々※16,17、世界中でたくさんの研究が行われてきました。アメリカ国立医学図書館、国立バイオテクノロジ情報センター(PubMed)には蜂蜜情報132,951件の中でマヌカハニーは431件もあります。PubMed以外でも情報を検索することができるため、500件以上はあるのではないかと思われます。
 

 
この膨大な情報の中からいくつか例を挙げると
・マヌカハニーの報告で最も知られているのは1994年モラン教授等が行った実験、ヘリコバクターピロリ菌がマヌカハニーの20%溶液に感受性が認められたという報告でしょう※18。
 

・2004年にはモラン教授等の研究でマヌカハニーは虫歯になりにくいことが示され、30人のボランティアでランダムにマヌカハニーUMF15+とマヌカハニーを使ったシュガーレスチューインガムによる実験が行われました。ボランティアは21日間、各食事の後に1日3回、10分間マヌカハニーを使ったシュガーレスチューインガムを噛む、またはマヌカハニーを食べることでどちらもプラークと歯肉の出血スコアが下がり、歯肉炎および歯周病の治療的役割の可能性があるとしています※19。
 
・口腔ケアに関するものでは2014年のスイスのデントジャーナルの報道ではUMF15+以上のマヌカハニーは口腔細菌に対して有意な抗菌力が認められたという研究結果を伝えています※20。
 
・2016年ワシントン大学耳鼻咽喉科で行われた副鼻腔手術を受けた42名の患者による臨床試験では、マヌカハニーまたは生理食塩水の副鼻腔洗浄を1日2回、30日間受けた結果を分析しています。その結果マヌカハニーの副鼻腔洗浄の優位性が認められており、そのプレゼンテーションはカリフォルニア州サンディエゴで開催された年次ARS(アレルギーと耳鼻科学会の国際フォーラム)会議で表彰、論文が学会誌に掲載されています※21。
 
・少し変わったところでは2019年カリフォルニア大学の皮膚科で実際に行われた治療で、頭皮にできた瘢痕(はんこん)性脱毛症(アレルギー性の湿疹が化膿し痛みを伴う症状)にマヌカハニーを添付し、頭皮の病変の除去を達成したという報告などもあります※22。
 
このほかにもたくさんの研究結果が報告されていますが、数値の高いマヌカハニーを普段蜂蜜も食べないのにいきなり食べても大丈夫?とご相談を受けることがよくあります。
 
そんな方のためにUMF20+の安全性を実証した論文が2010年に出されていますのでご紹介します。
 
この研究では、ランダム化された二重盲試験で42〜64歳の合計20人の健康な個人が採用され、Comvita New Zealand Ltd(Te Puke、New Zealand)によって提供された2つの異なる蜂蜜(マルチフローラ蜂蜜とUMF 20+)でテストしました。被験者はマルチフローラハニーまたはUMF20 +(20 g)を、2週間の「ウォッシュアウト」期間を挟んで4週間毎日摂取し、腸内の多くの微生物群の有益なものと共生的なもの両方で分析されました。その結果、腸の微生物プロファイルは変わらず、UMF20 +は健康な個人が安全に摂取できることを確認しました。さらにこの研究はマヌカハニーが消化器系にも良いことを示唆する事例証拠となっています※23。
 
今回ご紹介したレビューや論文等はほんの一部でしかありません。
それにしてもマヌカハニーって凄すぎ!美味しくて、しかも私たちの心と身体を幸せにしてくれる素晴らしい食べ物ですね。
今はコロナ禍で辛い毎日ですが、マヌカハニーを食べて元気に前向きに過ごしていきましょう!
 

 

参考文献

1.抗菌材としてのハチミツ
2.メチルグリオキサールの同定と定量マヌカの主要な抗菌成分(Leptospermum scoparium)ニュージーランド産の蜂蜜
3.ニュージーランドのマヌカ(Leptospermum scoparium)蜂蜜におけるメチルグリオキサールの起源
4.蜂蜜およびその他の食品中の5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)レベル:ミツバチと人間の健康への影響
5.お薬110番
6.日本薬局方
7.マヌカハニーの創傷治癒に及ぼす影響
8.マヌカハニーと創傷病原体に対する抗生物質活性を向上させるインビトロ
9.マヌカハニーを下肢潰瘍に使用した症例シリーズ
10.火傷管理における蜂蜜の使用:可能性と制限事項
11.感染した火傷から緑膿菌の菌株を阻害することにおける蜂蜜の有効性
12.コンタクトレンズ使用によるドライアイの治療
13.持続性の術後角膜浮腫の管理における標準化された抗菌性マヌカハニー:症例シリーズ
14.マイボーム腺機能不全による蒸発性ドライアイに対する局所抗菌性マヌカ(Leptospermum種)蜂蜜の ランダム化比較試験
15.蜂蜜はアトピー性皮膚炎の治療に潜在的に効果的です:臨床的および機構的研究
16.蜂蜜:皮膚の障害に対する免疫調節剤
17.大腸菌O157:H7に対する抗バイオフィルム活性
18.抗インフルエンザウイルスに対するマヌカハニーの高活性
19.B型インフルエンザウイルス感染に対するメチルグリオキサールの抗ウイルス活性のinvitro評価
20.ヘリコバクターピロリのマヌカハニーの抗菌作用
21.マヌカハニーが歯垢と歯肉炎に及ぼす影響:パイロット研究
22.invitroでの3つの口腔細菌に対するマヌカハニーの抗菌力
23.慢性副鼻腔炎の治療のためのマヌカハニー副鼻腔洗浄:ランダム化比較試験
24.医療用蜂蜜による濾胞炎デカルバンの解決
25.健康な人を対象としたヒトの臨床試験でマヌカハニーUMF20 +の安全性を実証